【医療・整形外科/柔道整復師】年収300万未満・宮城|一族経営の「オリジナルルール」と、自主退職に追い込む職場の圧力

医療・福祉・介護

白衣を着て、いつも笑顔で明るく接客しているようで羨ましい。とイメージを抱きがちな整形外科クリニックのリハビリ職員。患者として病院にかかる際には院内の様子を数分見ているだけにすぎません。今回はその数分の裏にはどのような実態があるのかをお届けしたいと思います。

📌基本データ

まずは、誰もが気になる「お金」と「時間」のリアルな数字から見ていきましょう。

項目職種の実態
年収目安~300万円(賞与を含む)
月収の内訳基本給21万円+残業代1万円=月収約22万
賞与(ボーナス)年二回、計2か月分
残業時間月~5時間程度(受付終了直前に駆け込んでくる患者がいると残業確定)
年間休日約75日(毎週日曜、祝日のみ休み。その他土曜の午後、平日の一日午後休あり)
職場の雰囲気チームでわいわい / ノルマ・数字なし(ただし人間関係は複雑)

🕒 詳しい業務内容:「エンドレスに機能訓練」

  • 08:15:出勤。清掃、リハビリ機器の準備。
  • 09:00:午前診療OPEN。治療器(電気、光線、マイクロ波、牽引など)マッサージ、関節可動域訓練、歩行訓練をドクターの指示書通りにこなす。基本は1人10分。ひたすら昼休みまでエンドレス。
  • 12:00:休憩。
    休憩時間中にリハビリ室で使用している枕カバー、ベッドに敷いているシーツなどの洗濯、そしてそこからの畳みも行います。
    「男性専用・女性専用」の休憩室が完備。各自コンビニ、持参弁当、または「昔から取引のある近所の弁当屋」に頼んで昼食。1時間以上は確保可能。
  • 14:00:午後診療。午前同様、ドクターからの指示書通りにエンドレス。
  • 18:00:診療終了。「定時が正義」の文化なので、ほぼ毎日定時で帰宅。
  • 【多忙時のリアル】:午前診療のみの土曜日などは、トイレ休憩や給水時間すら取れないほどバタバタ。待合室に患者がびっしり待機しており、休憩しづらい空気がある。

🐕「あるあるエピソード」

勤務柔道整復師のあるあるエピソードを放出します。

  • 患者さんからのいただきものが多い(質はさておき)
    郊外の職場であったため患者さんから野菜、お米、漬物、買ってきたお菓子、謎のお惣菜などほぼ毎日のようにもらっていました。しかし残念ながらその多くは高齢の患者さんからなのでもらう物のセンスも少しお年寄りっぽい物です(でもありがたい。)。お金をいただくことも少なくなく、もらったお金はリハビリ室内で分けてました。(リハビリ室で月平均2万円程度もらっていた)
  • 少なからず困った患者さんがいる
    気難しい患者さん、うるさい患者さん、全身入れ墨びっしりの患者さん、ニオイきつめの患者さん、毎回リハビリ室内で失禁するお客さんなどいろいろいます。
    このような方々にも平等に、限られた時間でこなすのはなかなか神経を使います。

💡 現場の本音(やりがい・えぐみ)

現場のやりがい
「どの患者にどの治療をやり、次はこれ」と、限りある機械をパズルのように組み合わせて効率的に回す。院内にびっしりいた患者をうまくさばききり、誰もいなくなった瞬間に大きな達成感がある。

診療時間帯内ほぼエンドレスで仕事をこなし続けるといった感じなので、一日の体感が5時間程度で日々あっという間に終わります。

またドクターの指示通りにこなすだけの仕事のため、仕事に大きな責任も伴わず気楽にできます(考えようによっては)

現場の「えぐみ」と本音
【一族経営の恐怖】:個人医院のため「一族オリジナルルール」が絶大。従業員に対する好き嫌いが激しく、嫌われると自主退職にみるみるうちに追い込まれる。
【女性中心の人間関係】:ドクターと女性スタッフの間に挟まれ、精神的に削られる。
【副業必須の低賃金】:給与は激安で昇給なし。定時で帰れるのが唯一の救いだが、副業がバレると「得意の圧力」で自主都合退職に追いやられる。

💡 この仕事を目指す人へのアドバイス

ここまで整形外科クリニックで勤務する柔道整復師のお仕事の裏側をお話してきましたが、これから柔道整復師として整形外科で勤務を考えている。という方へのアドバイスをお届けします。

  1. 給与の低さをどう捉えるか
    4年勤務している私が前述の通り300万円程度でした。皆さん病院、クリニックの収入は国が決めた公定価格なので病院側がどんなにすごい腕を持っていても、最新の治療を行っても、実績を持っていても他の病院よりも高い収入を得ることはできません。つまりこのような職場で長く勤務していっても昇給はしません(実際そう言われました)。見事に勤務しているリハビリスタッフは30歳を過ぎる頃になると男女問わず退職していきます。個々の給与で結婚して家族を養っていったり、贅沢をして暮らすことは不可能だと思います。反面、負う責任はほとんどないため呑気に、ワイワイとできると思います。
  2. とにかく体力勝負
    一日中エンドレスにほぼノンストップに患者さんへ施術(機能訓練、マッサージ、治療機器のつけ外しなど)を行い続けます。どの患者さんを、どの治療器からどの順番で行えばを良いかを常に考えながら施術を行うため、体力だけではなく頭も精神的にも疲れます。混雑の際は待合室にずらりと並んでいる患者さんの監視の目にさらされているので「きびきび動かなければ」という緊張感もなかなかあります。
  3. 人間関係がすべて
    多い日で200名程度の患者さん、そして計6名のリハビリスタッフ、4名の看護スタッフ、3名の医療事務スタッフ、そして医師と密にコミュニケーションをとり続けるお仕事です。
    常に謙虚に、我は極力出さずにい続けられるかが重要です。個人院なのでもちろん家族経営。そして女性が多い職場なのでベテランの女性スタッフ、ドクターに目を付けられるとおしまいです。昭和の香りが漂う陰湿ないじめが始まります(犠牲者を複数確認!)
  4. キャリアを考えたときにどう思うか
    柔道整復師として開業を考えている方にはあまりためにならないかもしれません。柔道整復師として一番大事な鑑別診断能力はほぼ身に付きません(一応ドクターの厚意で院内勉強会はあり)。
    ただし長く勤務して、円満に退職できた暁には、独立開業をした際に「医師の同意」(柔道整復師が骨折・脱臼の施術をするには医師の同意が必要)をお願いできる医師、クリニックになってもらえる可能性は大いにあり、これはとても大きなメリットになり得ます(実際退職後に開業した柔道整復師はこの先生に医師の同意をもらってました)

🚏 激しい肉体労働と理不尽な縦社会に耐え続け、心も体もすり減らしているあなたへ

今回のお仕事の実態を見て、「技術を磨くためとはいえ、サービス残業や休日出勤ばかりでもう限界かもしれない…」「患者さんの前では笑顔でいるけれど、実は自分の体がボロボロだ」と、深く共感された方も多いのではないでしょうか。

柔道整復師として培った「老若男女どんな患者さんとも高い信頼関係を築ける圧倒的なコミュニケーション能力」「医療現場を支える高い責任感とマルチタスク処理能力」「厳しい環境を生き抜いてきたバイタリティ」は、一般のオフィスワークや企業のビジネス市場において、「夜勤なし」「サービス残業なし」「土日祝休みの規則正しい環境」で高く評価されるべき強力な武器です。

「技術職だから他の仕事はできない」なんて思い込む必要は1ミリもありません。わざわざ理不尽な縦社会の盾になり続け、自分の体を犠牲にしてまで尽くす必要はないのです。

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